各国で辛い物が食べられている理由とは?②

コラム

からい食べ物

これまで中国や韓国で辛い物が食べられる理由や、辛い料理について調べてきました。皆さんの好きな激辛料理は登場したでしょうか?今回は前回の続きで、辛いインド料理とタイやブータンで辛い物が食べられる理由、及び具体的な激辛料理名をご紹介します。

辛いインド料理ってどんな物があるの?

辛いインド料理で取り上げなければならないのが、インドが本場のカレーです。インドのスパイスをふんだんに使った煮込み料理を、イギリス人がカレーと呼んだことに始まっています。

激辛系のカレーではマサラと呼ばれるスパイスが使われています。これはインドで採れる香辛料の総称で、いろいろな香辛料を粉にして混ぜ合わせたスパイスになります。

ビーフマサラというカレーは、トマトやヨーグルトの酸っぱさと、マサラの強い辛さが味わえます。マトンパンジャビーはブラックペッパーのキレのよい味わいが楽しめます。また、ココナッツチキンはスパイスの深みある辛さが味わえるカレーです。

カレー以外にもスパイスはよく使われます。ラッサムというのはスパイシーなスープで、酸っぱさと辛さが混在しています。ザブジは香辛料がよく効いた野菜の蒸し煮です。また、ミックススパイスが入り、暑い夏にはぴったりのインド風のサラダもあります。

タイではなんで辛い物が食べられているの?

タイ人の食習慣は、辛い味付けに快感を覚え、辛さがエスカレートしていった結果のようです。

タイ料理の辛さのルーツは、インドと中国四川にあります。両国の料理文化の影響が、タイ料理の激辛の原因となるスパイスの使い方や調理方法に見られます。

タイのような気候が暑い地域では、食物の保存や寄生虫・バクテリアによる腐敗や食中毒防止に、遠くポルトガルから伝来した唐辛子に含まれるカプサイシンが有効でした。

また、暑い国ならではの食欲増進・発汗作用など、暑さに負けない健康な体力作りに効能が認められたことも辛い物が食べられる理由になります。

しかし、タイ料理の辛さはとても強く想像以上のレベルです。このような食習慣や嗜好は、長年の習慣によるものという解釈が一般的ですが、激辛で熱く感じられる物を口にした時に発生する麻薬的な脳内物質が、より強い辛さを求めてエスカレートしていった結果とも考えられます。

辛いタイ料理ってどんな物があるの?

タイでは、辛味、酸味、甘味が混ざりあった、複雑な味覚を醸し出した状態を好む食文化があります。

タイの食堂には、砂糖、ナンプラー、唐辛子の酢漬け、粉唐辛子を入れた容器が置いてあり、各々の好みに合わせて、料理にトッピングし味を変化させて食べます。

タイにはプリッキーヌと呼ばれる激辛唐辛子があり、トムヤムクンや、ガパオなどのタイ料理には幅広く使われています。

タイ料理のトムヤムクンは、世界3大スープとして有名なタイの代表的なスープです。エビが入っていたり、生姜の一種のカーと呼ばれる香辛料が入っていたりします。ガパオは、鶏肉や豚肉などを使い、ナンプラーやオイスターソースとともに炒めたタイ料理です。

ブータンではなんで辛い物が食べられているの?

ブータンは急峻な山岳地帯にある国です。そのため、かつてはブータンで育てられる野菜は限られていました。そのような環境でも栽培できたのが唐辛子で、瑞々しく野菜のように食べられたことから一気に広まったと言われています。

ブータンの唐辛子は大きく肉厚で、外見は日本の万願寺トウガラシに似ています。ブータンで7月にシーズンを迎える唐辛子の初物は、塩だけ付けて生のままかじって食べることもあります。

子供がおやつに唐辛子をかじっているのもよく見る光景で、香辛料というよりは野菜として利用されています。さらに、ブータンは米食文化です。辛みも昔は山椒を利用していたようですが、唐辛子の方がご飯と相性がよく、ご飯が進むということもブータンで唐辛子が好まれた理由です。

辛いブータン料理ってどんな物があるの?

ブータンではたいていの料理に真っ赤な唐辛子が入っているので、ブータン料理は世界一辛い料理だと言っても間違いではありません。

ブータンの代表的な辛い料理にエマ・ダツィと呼ばれるものがあります。エマとは唐辛子のことで、ダツィはチーズのことです。即ち、唐辛子とチーズを煮込んだ料理を指します。

料理の中身はほとんど赤い色をした唐辛子です。もちろん味は激辛で、チーズのおかげでまろやかさはあるものの、最後に唐辛子の辛みが一気に来ます。

お肉を使った料理には、干し肉のパクシャパというのがあります。こちらは干し肉と唐辛子のバランスが絶妙で、思ったほど辛くはありません。

これ以外にも、唐辛子と卵の炒め煮、唐辛子と山菜の炒め物、ジャガイモのチーズ唐辛子炒め煮など、唐辛子が中心になる料理が多いのがブータン料理の特徴です。

各国で辛い物が食べられる理由について②

辛いインド料理で取り上げなければならないのがカレーで、ビーフマサラ、マトンパンジャビー等の種類があります。タイで辛い物が食べられる理由が、唐辛子のカプサイシンという成分が食物の腐敗や食中毒の予防になるからです。タイにはプリッキーヌと呼ばれる激辛唐辛子があり、トムヤムクンやガパオなどの辛いタイ料理に使われています。
ブータンは急峻な山岳地帯にある国で、育てられる野菜は限られていました。そのような環境でも育ったのが唐辛子で、野菜代わりに唐辛子を食べるため辛さの抵抗が少なくなりました。ブータンの代表的な料理に、食べた後に辛さが来るエマ・ダツィと呼ばれる料理があります。
これらの国に行かれることがあれば、是非本場の辛さに挑戦してみて下さい。