味覚って何?①

コラム健康

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人間の感覚には、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚があり、これらをまとめて五感と呼んでいます。この五感の一つの味覚とはいったいどういうものなのでしょうか?人間にはなぜ味覚があるのでしょうか?ここでは味覚全般と、その中の一つの甘味について掘り下げてみましょう。

味覚って何?

私たちには生命を維持するために、エネルギーや栄養の源となる食事の摂取が不可欠です。その食事には「味覚」による情報を常に伴います。本当に体内に入れてよい食べ物かどうかを判断するため、味覚は非常に重要な役割を果たします。

私たちは味覚を頼りにご飯を作ったり食べたりしていますが、そもそも味覚とは何なのでしょうか?味覚は、味蕾という人間の舌にある器官が感じとり、その情報を受け取った脳が知覚するものです。

味覚には、基本味と呼ばれる塩味、甘味、酸味、苦味、うま味の5種類があり、それぞれ「しょっぱい」「あまい」「すっぱい」「にがい」「うまい」という感覚に対応しています。

元々味覚は4つだったのですが、1908年に池田菊苗が発見した成分が「うま味」と名付けられました。そして1985年、うま味国際シンポジウムにおいて、世界共通の用語「UMAMI」として広まったのです。

ちなみに「辛い」は「辛味」などとして味覚には含まれません。これは、辛さが味覚由来というより痛覚等によるものだからです。

ちなみに「辛い」は「辛味」などとして味覚には含まれません。これは、辛さが味覚由来というより痛覚等によるものだからです。

人間にはなんで味覚があるの?

人間が幼い時から「美味しい」と感じるのは、甘味・うま味・塩味の3つです。これらの味覚は、体や精神によい効果をもたらします。塩味や甘味は疲れを癒し、うま味は体を作ります。体にとってよい物は吸収する必要があるので、これらを「美味しい」と私たちは感じるのです。

一方で、酸味と苦味は人間の嫌いな味覚です。例えば、腐った食べ物の臭いは、ツーンと鼻を刺激する酸性の嫌な臭いがします。つまり酸味は人間にとって腐敗臭なのです。また苦味は人間にとって毒の可能性がある味になります。そのためこの2つの味覚は他の3つの味覚よりも好まれないのです。

ただし、酸味と苦味は経験や学習により「美味しい」と次第に感じることができるようになります。小さい頃は苦くて美味しくないと感じた野菜を、大人になると美味しいと感じるようになるのはこのためです。

従って、人間にとって味覚とは、体に取り込むべき物か、そうでない物かを判別するための能力なのです。

味覚の一つの甘味をもたらすのはどんな成分?甘味を含む食材とは?

人間が感じる味覚のうち、甘味とは砂糖や蜂蜜などを食べた時に感じる、いわゆる「甘い味」のことを指します。

この甘味をもたらすのはショ糖、果糖、ブドウ糖などの炭水化物の一種で、果物、サツマイモ、サトウキビなどに多く含まれています。

これらの炭水化物は本来植物が自らのためのエネルギー源として作り、そして蓄えた物です。具体的には、太陽光エネルギーと二酸化炭素と水から光合成によって作り出された物です。

甘味を感じる糖質を多く含む食材には、白米・小麦粉などの穀類、サツマイモ・ジャガイモなどの芋類、根菜類を中心とする野菜、多くの種類の果物、加工された魚類、レバーを中心とする肉類、乳製品、菓子類などがあります。

味覚の一つである甘味がもたらす働きとは?

甘味は、私達が食する炭水化物に多く含まれるショ糖やブドウ糖の味で、赤ちゃんの頃から慣れ親しんだ味です。甘味のもたらす働きはたくさんありますが、大きいのが人間のエネルギーになるということです。炭水化物を食べることにより私達は活動することができます。

また、甘味にはリラックス効果やストレス解消という働きもあるため、摂取すると仕事や勉強の効率がアップします。

また、甘味の代表格として砂糖がありますが、砂糖には料理の味を調節する働きがあります。食材自体を柔らかくする働きや、意外ですが防腐の作用もあります。

甘味の別の働きに、体内の熱を発散させるということがあります。地球上で比較的暑い所ほどフルーツの味が濃く、甘い物が多い傾向があります。それはフルーツを食べることにより、熱を体外へと発散させ、のぼせたり、熱中症になったりするリスクを避けるためだと言われています。

味覚の一つである甘味をなんで人間は感じるの?

人間は甘味を感じる能力を生まれながらにして持っています。これは、赤ちゃんが甘みのあるミルクを美味しいと感じ、好んで飲もうとすることでも分かります。

甘味は「美味しい味」の代表的な存在です。甘味のある糖は人間の大切なエネルギー源となりますが、摂取を促すため甘味を「美味しい」と感じるのです。

人間は甘味を感じると脳内の心地よさを感じる部分を刺激し、β―エンドルフィンというホルモンを分泌させます。このホルモンには、ストレスを和らげリラックスさせる効果や快感をもたらす効果があるため、甘い物を食べると喜びを感じるのです。

「疲れた時に甘い物を食べたくなる」ということがありますが、これはエネルギーを補給しようと、体が「美味しくて喜びが感じられる」甘味を欲するからです。

味覚について①

味覚には、塩味、甘味、酸味、苦味、うま味の5種類があり、口に入れた物を体の中に取り込んでよいか否かを判別するためにあります。味覚の一つの甘味をもたらすのは、ショ糖、ブドウ糖などの炭水化物の一種で、これは穀類、芋類、果物など、多くの食材に含まれています。
甘味がもたらす働きには、リラックス効果やストレス解消効果などがあります。この甘味を感じるのはエネルギー源となる甘味のある物を「美味しい」と感じ、積極的に摂取しようとするからです。感染症の症状の一つに味覚が感じなくなるということがありますが、味覚が無くなると、食べ物はまったく美味しい物ではなくなります。
生きていくうえで味覚は無くてはならない感覚であると言えます。