熱中症予防のために必要な栄養素とは?

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熱中症

地球温暖化の影響もあり、夏場に熱中症になる方が増えています。熱中症対策は十分に考えていますか?夏を楽しく健康に過ごすためには熱中症にならないように気を付けなければなりません。ここでは熱中症予防に効き目のある栄養素について考えてみましょう。

熱中症予防にタンパク質をしっかり摂ることが重要な理由とは?

熱中症予防にタンパク質をしっかり摂ることが重要な理由の一つは、筋肉量を増やすことで体内の保水量も増やせるからです。

筋肉は、水分を体内に保持しておくタンクの役割も持っています。そのためタンパク質を摂って体の筋肉を大きくすると、水分を多く保つことができ熱中症予防につながるのです。

もう一つの理由は、血液量を増やすことで発汗が促され、体温調節しやすくなるからです。血管においては、浸透圧を利用して血中に水分を取り込んでいます。タンパク質を摂取するとこの血管の浸透圧が変わり、水分を取り込みやすくなるのです。

水分量の増えた血液はより皮膚に近いところまで巡るようになり、やがて汗となって体外に排出されます。

つまり体内の熱を血液に乗せて外側に送り出すだけでなく、汗もかきやすくなるという訳です。そして、この発汗の際と、汗が乾いて気化する際に、体にこもった熱も放出されるので、体温低下とともに熱中症リスクも下がるのです。

熱中症予防にビタミンCをしっかり摂ることが重要な理由とは?

汗で失われる栄養素はこの他にもたくさんありますが、ビタミンCもその一つです。ビタミンCが不足すると、体がだるく感じたり、疲れやすくなったりします。

ビタミンCには強力な抗酸化作用があります。また、疲労回復効果や免疫力向上効果もありますが、尿だけでなく暑い時期は汗からもどんどん失われていきます。

さらに、ビタミンCは不足すると老化が加速するというデータもあります。いつまでも若々しく、元気に夏を過ごすために積極的に摂取したい栄養素です。

熱中症予防にビタミンB1をしっかり摂ることが重要な理由とは?

熱中症の予防には食生活にも気を配り、必要な栄養をバランスよく摂ることも大切です。もちろんビタミン類、特にビタミンB1も忘れてはならない栄養素です。

このビタミンB1には、糖質をエネルギーに変換する働きがあります。暑い季節には食欲も落ち、冷たい麺類などで食事を済ませる機会が増えます。しかし単に麵類などの糖質を摂るだけでは、体を動かすエネルギーにはなりません。ビタミンB1も一緒に摂ることで、初めてエネルギー源となるのです。

しかしビタミンB1は水溶性のため、発汗量の増える夏場には汗と共に体外に排出され、不足しがちになります。だからこそ、意識して摂取する必要があるのです。

ネギやニンニクなどに含まれるアリシンには、ビタミンB1の体内での吸収を促す働きがあります。ビタミンB1を含む豚肉とニンニクを組み合わせて食べるのもおすすめです。

熱中症予防にカリウムをしっかり摂ることが重要な理由とは?

熱中症予防にカリウムをしっかり摂ることが重要な理由は、カリウムが細胞にとって大切な栄養素の一つで、これが不足すると細胞の脱水症状が起きてしまうからです。

汗をかくと水分やナトリウムが失われるだけでなく、このカリウムもまた一緒に体外へと排泄されてしまいます。

そしてカリウム不足で細胞から水分が失われると、熱中症が起きた時に内臓機能が低下したり、熱中症からの回復力も低下したりするなどの事態を招きます。そのため汗をかいた際には、水分と一緒にこのカリウムも補給しておくことが望ましいのです。

ただ、カリウムを摂取し過ぎると逆にナトリウムが排出されやすくなるという関係にあるため、過剰摂取にも気を付ける必要があります。

熱中症予防にクエン酸をしっかり摂ることが重要な理由とは?

熱中症を防ぐには、まず直射日光や高温となる場所での活動を避けることです。それと同時に十分な水分補給や、食事をしっかり摂ることも大切です。中でもナトリウムなどミネラルの補給が重要なのは周知の事実ですが、それと一緒に摂りたいのがクエン酸です。

クエン酸にはキレート作用と言って、ミネラルと結びついて体内での吸収を促す働きがあります。つまりクエン酸を補給することで、体内のミネラルバランスが整いやすくなり、熱中症対策になるという訳です。

クエン酸にはまた、疲労物質の乳酸を抑制し、疲労を和らげる働きもあります。さらに唾液を分泌させたり、胃腸の働きを促したりする作用もあるので、食欲が落ちる夏場には積極的に摂りたい成分です。

熱中症予防のために必要な栄養素について

熱中症予防でポイントになる栄養素がいくつかあります。タンパク質の摂取は、筋肉量を増やし保水量を増やすため大事になります。ビタミンCは体のだるさや疲れやすさを取り除いてくれるので必要です。ビタミンB1は糖質をエネルギーに変換する役割がありますが、汗と一緒に体外に排出されがちです。それを補うため補給する必要があります。

ミネラルではナトリウムとともにカリウムも不足します。これも汗と一緒に体外に出て行きやすいので、内臓機能を低下させないためにもしっかりと補給しなければなりません。クエン酸は不足したミネラルが体内への吸収を促す働きがあるので、ナトリウム・カリウムなどに加え摂取しておく必要があります。

上記の栄養素を食べ物からしっかり補給し、熱中症とは無縁の夏にしましょう。