子どもの噛む力を鍛える方法とは?

コラム

噛む力

私たちが普段行っている「噛む」という行為は、人間が生きていくうえで大切なことです。噛むことは食べ物を咀嚼するだけでなく、心身の発達のためにも重要であると考えられています。ここでは、「子どもの噛む力を鍛える」ということをテーマに考えてみましょう

子どもの咀嚼力が発達し始めるのはいつ頃から?

赤ちゃんはお腹の中にいる時から指しゃぶりをし、生まれると母乳を吸います。これらの行動は、まだ歯は備わっていないものの噛む訓練を開始していると考えられます。

9ヶ月頃から歯ぐきで嚙み潰すカミカミを始め、1歳から1歳半でついに歯での咀嚼ができるようになります。

2~3歳になると乳歯が生えそろい、本格的に噛むための準備が整います。そして、噛み切ったり、すり潰したりするなどの動きを習熟していきます。その過程でミルクから離乳食、そして大人と変わらない食事へと移行していくわけです。そして、5~6歳になる頃までに、大人の3分の1程度までの噛む力がつきます。

口に食べ物がある時に子どもに飲み物を与えない方がよい理由とは?

幼児に食事を与える際には、正しく安全な食べ方になるよう注意する必要があります。ここでは食事中の飲み物について、注意点をご紹介します。

まず、幼い子どもの食事には、当然ながら容易に咀嚼できるような柔らかい料理が用意されます。ただ、ある程度成長すると、咀嚼が必要な食べ物を口にした時、ちゃんと噛まずに飲み物で流し込んでしまう子どもがいます。

顎や歯並びなどが未発達な子どもにそのような食べ方をさせると、体の発育や食べ方の習慣などに悪影響を与える可能性があります。

また、柔らかい食べ物とは言っても、十分に咀嚼せずに飲み込んでしまえば、喉に詰まらせてしまうかも知れません。そのため、食事中に飲み物を与えるのは避け、食前あるいは食後に飲ませるようにしましょう。

また、親がやりがちな流し込みを促すものとして、「早く食べなさい」といった命令があります。早く食べるには咀嚼をさっさと済ませるか、途中で飲み込んでしまう以外に方法がないので、飲み込みを助長してしまいます。

離乳食に慣れてきた子どもにカミカミを覚えてもらうコツとは?

離乳食に慣れてきた子どもにカミカミを覚えてもらうコツには、まず「硬い物を無理やり食べさせない」ということがあります。

育てる側としては子どもに早く噛む力をつけてほしくて、硬い物を食べさせてしまいがちです。しかし、それにより子どもが嫌がって食べる量が落ちてしまったり、咀嚼が不十分で喉に詰まらせてしまったりしたら大変です。

そのためカミカミ期でも最初のうちは、なるべく柔らかい物を与えるようにしましょう。目安としては「バナナの硬さ」がこの時期の子どもにとってはちょうどよく、これに似た食感になるように野菜や果物を調理してあげると、子どもの噛む練習には最適です。

同時に、食べ物を「手づかみで食べられる大きさ」に調節してあげ、子どもが自分一人でマイペースに食べられるような形にするのも効果的です。とは言え、食べ過ぎて喉に詰まらせてしまう可能性もまだ十分にあるので、食事の際は子どもの様子を見守ることが大事です。

子どもの噛む力を鍛えるためにおすすめのつかみ食べの材料とは?

つかみ食べを始めるという子どもには「野菜」を用いて、野菜スティックを作ってあげるのがおすすめです。

具体的にはニンジン、大根、イモ類、アスパラガスなどが適しており、これらを一度茹でるなどして柔らかくし、食べやすいようにスティック状にしてあげましょう。

なるべく柔らかい物から試して、噛む力がついてきたと思ったら茹でる時間を短くしたり、スティックを少しだけ太くしたりして調節していきます。

また「パン」もおすすめで、こちらもやはりパンの種類や焼き方を変えていくことで、硬さの調節が比較的簡単にできます。

最初は焼くのではなく湿らせて柔らかくした状態で食べさせてみて、それが大丈夫なら焼いたパンに挑戦してみましょう。食パンは耳が硬いので、焼いた耳も噛んで食べられるくらいになれば一人前です。

小学生におすすめの噛む力を鍛えるためのおやつとは?

小学生におすすめの噛む力を鍛えるためのおやつとして、代表的な物に「ガム」があります。「ガムトレーニング」という言葉もあるくらいで、何度も噛めるガムは子供の顎の発達に適したおやつだと言えます。

ただし、小さい子どもは誤って飲み込んでしまう危険性もあるので、それが心配な場合は食べて飲み込める「グミ」に変えてみたり、あるいは「おせんべい」などのパリパリ噛んで食べるお菓子にしたりして対応しましょう。

また「するめ」や「にぼし」といった大人のおつまみのイメージが強い物なども、噛み応えがあるうえ、噛めば噛むほど味が出てくるので、嚙む力のトレーニングに向いています。

肉系のおやつなら「ビーフジャーキー」がおすすめです。ビーフジャーキーは栄養価が高いので、成長期で体が大きくなっていく小学生にとっては一石二鳥と言えます。

子どもの噛む力を鍛える方法について

噛むという行為は食べる時に必要なだけでなく、唾液の分泌が増える、脳を発達させる、集中力を高める、などの効果があります。赤ちゃんは母乳を吸うことで、噛む訓練を既に始めていると考えられています。

幼児に食事を与える際、ちゃんと噛まずに飲み込む癖をつけるのは、発育上も安全上もよくありません。離乳期にカミカミを覚えてもらうには、噛む力に応じた硬さの物を与えること、手づかみで食べられる大きさの物を与えることが大事です。

噛む力を鍛える食べ物には、野菜スティック、パンなどがおすすめです。小学生が噛む力を鍛えるおやつとして、ガム、するめ、ビーフジャーキーなどがあります。この中でビーフジャーキーは栄養価も高いので、育ち盛りの子どもには特におすすめです。