顎の周りの筋肉を鍛えるメリットとは?

コラム

顎

顎の周りの筋肉を鍛えると、どういうメリットがあるのでしょうか?腕やお腹、足腰の筋肉は鍛えることで生じるメリットを想像できます。しかし、そもそも普段から顎の周りの筋肉を鍛えようとは思いません。では実際にどういうメリットがあるのかを考えてみましょう。

なんで現代人は顎の力が弱くなってきているの?

現代は軟食の時代であり、食べ物の嗜好が歯ごたえのないものに変わってきています。乳幼児の頃から、食べやすいように軟らかい物を与え続けているという問題もあります。軟らかい物はあまり噛まなくても飲み込めるので、よく噛まずに食べる習慣がついてしまいます。

昭和初期に比べると、食事にかける時間・咀嚼回数がおよそ半分に減少しているという研究報告もあります。

顎は噛む回数が減ると、筋肉や骨が十分に成長できず、結果的に顎の筋肉や骨が小さくなってしまいます。これに伴い顎の力が弱くなってしまうのです。

実際、40年前と現在の顎の幅を比較するとあまり変わっていません。この間に栄養状態がかなりよくなったことを考えると、サイズが大きくなっていてもおかしくありませんが、軟らかい物ばかり噛んで筋肉に負荷がかからないため、顎が成長せず幅が増えていないのです。

顎を鍛えると二重顎がスッキリしてくるって本当?

二重顎の原因には「肥満」「姿勢」「ストレートネック」「筋力低下」などの他、「マスクの着用」などがあげられますが、これらの原因が重なって起こっていることが多いとされています。

二重顎の防止対策としては、原因に対して改善を行っていくことが必要となります。肥満防止に向けた食生活の見直しから、日常生活における姿勢の改善、特にスマートフォンを使用する機会が多くストレートネックになりやすくなっているので、首の姿勢への意識も重要です。

マスクの着用や老化、軟らかい食べ物が増えたことで咀嚼不足などによる顎周りの筋力の低下は、日ごろのマッサージやストレッチ、筋トレなどで解消することが必要です。顎周りの筋肉を鍛えると、二重顎対策だけでなくフェイスラインのたるみ解消にもつながります。

また、生活の中で笑顔を増やすだけでも顔全体の筋肉が使われるので、自然に筋トレ効果が表れます。笑顔が増えると、美容効果だけでなくメンタルへの相乗効果も期待できます。

咀嚼筋って具体的にどこの筋肉なの?

咀嚼筋とは食べ物を噛むときに動く筋肉のことで、一般的に側頭筋、咬筋、外側翼突筋、内側翼突筋の4つの筋肉を総称して表しています。側頭筋はこめかみ周囲にある扇形の筋肉で、下顎を引き上げる働きをします。咀嚼筋の中で最も強大な筋肉です。

咬筋は下顎の外側にある筋肉で、歯を?み合わせて硬い食べ物をかみ砕く働きをします。外側翼突筋は下顎の全ての運動をサポートする筋肉で、顎関節をコントロールする役割があります。顎を前に突き出す時には外側翼突筋が働いています。内側翼突筋は深部にある筋肉で咬筋や側頭筋と協同して働きます。

食べ物を噛む時にはこれらの4つの筋肉が連動して働いています。下顎や上顎を上下に動かしたり、水平に移動することによって、歯は食べ物を噛み切ったり、すり潰したりすることができるのです。

筋肉は皮膚の下にあるため、実際に顔のどの部分にあるのかはイメージしづらいですが、口を大きく動かし、食べ物をしっかり噛めるのは咀嚼筋が正常に動いている証拠なのです。

咀嚼筋をほぐすマッサージの方法とは?

咀嚼筋のうち側頭筋はこめかみ周辺、咬筋は下顎の外側にあるため、マッサージしやすい筋肉です。まずはこの2つのマッサージ方法を覚えましょう。

側頭筋をほぐすために、耳の上からこめかみ周辺に手を当てて噛みしめます。盛り上がった部分を中心に約30秒、指の腹で円を描くように優しく揉みほぐします。

次に、両頬の下に手を当てて噛みしめます。盛り上がった部分を同じように指の腹で円を描くようにマッサージします。

外側翼突筋や内側翼突筋は内部にある筋肉のため、直接のマッサージではなく周囲の筋肉をストレッチすることでコリをほぐします。

顎を前に突き出した状態で口をゆっくりと開け閉めします。20回ほど繰り返すと顎周りのストレッチになりスッキリとします。

咀嚼筋をほぐすとどんな効果があるの?

咀嚼筋をほぐすことによって、主に美容と健康によい影響が得られるとされています。

まず美容の面ですが、顔のたるみや皺といった見た目の悪さが改善されます。咀嚼筋が凝り固まってしまうと頬の肉がたるんでしまったり、ほうれい線が目立ったりしてしまう場合があります。下顎に肉がついてしまい二重顎になってしまうケースもあります。これらは咀嚼筋をしっかり動かしていくことで改善され、引き締まったシャープで若々しい見た目に戻っていきます。

次に健康面ですが、咀嚼筋を動かすことで顔周りの血行が促進されます。すると肌の状態がよくなるだけでなく、目や頭の血流もよくなって眼精疲労や頭痛といった症状も起こりにくくなります。

顎の周りの筋肉を鍛えるメリットについて

噛む回数が減ると、顎の筋肉や骨が十分に成長できず顎の力が弱くなってしまいます。顎周りの筋肉を鍛えると、二重顎対策だけでなくフェイスラインのたるみ解消という美容効果もあります。
顎の筋肉は咀嚼筋と呼ばれ、側頭筋、咬筋、外側翼突筋、内側翼突筋の4つの筋肉の総称になります。咀嚼筋のうち側頭筋と咬筋は簡単にマッサージしやすい筋肉です。咀嚼筋をほぐすと、美容面では顎周りが引き締まったシャープで若々しい見た目に戻ります。健康面では肌の状態がよくなったり、眼精疲労・頭痛になりにくくなったりという効果があります。
普段はあまり意識することが無い顎ですが、顎周りの筋肉を鍛えると思わぬ効果があるということを知っておきましょう。