味覚って何?④

コラム

酸っぱい物、渋い物は口に入ると顔をしかめることがあります。皆さんはこれらの味がする大好きな食べ物はあるでしょうか?嫌われそうな味ですが、意外と身近で、毎日のように食べたり飲んだりする物があります。

ここでは、基本味の一つの酸味と、基本味には入っていない渋味について調べておきましょう。

味覚の一つである酸味をもたらすのはどんな成分?

「酸っぱい物」と聞いて、日本人が思い浮かべる物の一つが梅干しです。レモンや酢などを思い浮かべる方もいるでしょう。これらの食品に共通する味が「酸味」です。腐った物や未熟な物を示す味でもあり、小さな頃は苦手だった方が多いと思います。

しかし、食経験を重ねる中で、その美味しさが分かってきます。酸っぱい物は食欲増進・エネルギー代謝などにも関わっているため、「健康のため」と思いながら摂りましょう。

酸味をもたらす成分には、酢に含まれる成分である酢酸、乳酸菌による発酵過程で発生する乳酸、リンゴから見つかった有機酸で、フルーツの発酵により発生しやすいリンゴ酸などがあります。

その他に、レモンに代表される強い酸味のある有機酸であるクエン酸、化学的にはアスコルビン酸と呼ばれる有機酸のビタミンC、ワインに含まれる酒石酸なども酸味をもたらす成分になります。

果物ならば自然に存在する酸味ですが、漬物、ワイン、チーズ、酢等は発酵によって酸味が生まれます。酸味のバリエーションの豊富さは、そのまま食の豊かさを表していると言って間違いありません。

酸味を含む食材とは?

疲れている時とか夏の暑い日には酸っぱい物がやたらと食べたくなることがあります。とは言え、具体的に何が欲しいかとなると人それぞれで、実は酸味を含む食材は世の中に数多くあるのです。

酢を含む物としてはお酢ドリンク、寿司、ポン酢、サンラータンなどが、乳酸を含む物としてはヨーグルト、漬物などが、リンゴ酸を含む物としてはリンゴの発泡酒、梅干し、ワインなどがあります。

また、クエン酸を含む物としては酢、梅干しなどが、ビタミンCを含む物としては柑橘類、ブロッコリー、キャベツ、ピーマンなどがあります。

酸っぱい物は体やのどを潤してくれます。体に必要とされる体液を作り出す役割も持っています。クエン酸はミネラルの腸からの吸収を高める役割を持ちます。苦手な方もいますが、酸味は積極的に摂り入れたい味覚と言えます。

渋味をもたらすのはどんな成分?

渋味成分というのは、辛味成分と同様に味覚成分ではなく、痛覚や温度を感じる部分で反応しているものです。

渋味成分と呼ばれる物には、柿、ワインなどに含まれるタンニン、緑茶に含まれるカテキン、コーヒーに含まれるコーヒーポリフェノールなどのポリフェノールの仲間があります。

これらの成分を直接食べると、口の中では嫌な感覚になりやすいものですが、これらの成分は酸化しやすいという特性があります。

つまり、酸素に結びつきやすいということであり、これによって抗酸化作用が期待できます。酸化に抵抗するということは体の錆を防ぐ効果があり、老化防止効果も期待できるということになります。

また、渋味成分が酸化することによって渋味成分自体が減るので、他の味をより感じやすくさせたり、敢えていろいろな物と混ぜることによって、他の味を引き立たせたりできるという効果もあります。

渋味を含む食材とは?

渋味は味を分類する概念の一つですが、舌にそれを感じる細胞のある塩味や甘味・酸味・苦味・うま味とは違い、渋味を感じるメカニズムははっきりとは分かっていません。

渋味は口の中が収縮するような感覚を伴うことから、辛味同様触覚に近いもの、また苦味と合わさって感じる味覚であるとも言われています。

渋味のある食材でまず思い浮かぶのが、緑茶、ワイン、コーヒーなど、普段から口に入りやすい物があります。他にも渋柿も渋味のある食材と言えます。

近年、渋み成分の一つのカテキンを含む飲料は、血圧上昇抑制・血中コレステロール抑制・血糖値調整・抗酸化・抗アレルギーなどの効果があるとして、特定保健用食品(トクホ)にもなっており、渋味イコール健康的な成分というイメージが浸透してきています。

味覚について④

酸っぱい味がする食材には、お酢ドリンク、ヨーグルト、漬物、梅干し、柑橘類、キウイフルーツなどがあります。これらには酢酸、乳酸、リンゴ酢、クエン酸、ビタミンCといった酸味成分が含まれています。酸っぱい物は食欲増進やエネルギー代謝に役立っています。

渋味は口に入れると嫌な感じがしますが、抗酸化作用があり病気予防や老化防止に役立ちます。渋味のある食材としては、緑茶、コーヒー、渋柿、ワインなどがあります。これらに含まれる苦味成分は、タンニン、カテキン、コーヒーポリフェノールなどのポリフェノールの仲間になります。

酸っぱい物なら漬物、酢、柑橘類など、また渋い物なら緑茶、コーヒーなどは毎日食べたり飲んだりする機会があります。いわゆる美味しい味覚だけでなく、これらの食材も嫌わずに摂り、その効果を感じてみましょう。